前回は、現状把握表に書いた行動をカテゴリーに分けました。
行動の「カテゴリー分け」とは?親子の頑張りや困りごとを整理しよう【ペアプロ第5回】
今回は、その中の「困っているところ」を見直し、「ここまではできている」を探します。
■「ギリギリセーフ」とは?
ペアプロでは、「困っているところ」の中から、期待通りにはできていなくても、「ここまではできている」という部分を探していきます。
そうした部分を「ギリギリセーフ」と呼びます。
「全部できた・できなかった」で見るのではなく、行動を少し細かく見たり、できていた場面を探したりしながら、「ここまではできている」を見つけていく考え方です。
たとえば、こんな「ギリギリセーフ」が見つかるかもしれません。
- 着替えをせずに遊ぶ → パジャマの上だけは脱いでいた
- 片づけせずに遊び続ける → おもちゃを一つ箱に入れていた
- 宿題を嫌がる → ノートは机に出している
見つけた「ギリギリセーフ」は、現状把握表の「努力しているところ」へ“格上げ”して、書き加えることができます。
| 努力しているところ | 困っているところ |
|---|---|
| パジャマの上は脱いでいる | 着替えをせずに遊ぶ |
| おもちゃを一つ箱に入れている | 片づけせずに遊び続ける |
| ノートを机に出している | 宿題を嫌がる |
「困っている」と思っていた行動の中にも、実は本人なりに頑張っていることや、できていることが隠れているのです。
ギリギリセーフは、困った行動を「そのままでいい」と考えることではありません。
困った行動の中にある『できている部分』を探していくのが、ギリギリセーフの考え方です。
「できていない」と思っていた行動も、少し見方を変えると、「ここはできていた」と気づくことがあります。
そうすることで、以前より子どもを認めることができたり、ほめたりできる部分が見つかったり、張りつめていた気持ちが少しゆるんだりすることがあります。
ギリギリセーフは、子どもだけでなく、自分自身の「困っているところ」から探すこともできます。
「イライラして強い言い方をしてしまうけれど、一度その場を離れられた」など、困りながらも自分なりにがんばっていることが見つかるかもしれません。
■ギリギリセーフを見つける3つの手がかり

- 部分的や一歩手前までできていた
- たまたまでも、できたことのある場面があった
- 誰かの手伝いやサポートがあればできた
一人でできることだけが、ギリギリセーフではありません。
気になる行動の中から、当てはまる場面がなかったか思い出してみましょう。
■見つからないときは、無理に探さなくて大丈夫
子どもの発達段階や特性によっては、今はギリギリセーフを見つけるのが難しいこともあります。
そんなときは、無理に探す必要はありません。
保護者が手伝うことでなんとかできていることもギリギリセーフです。そして、その保護者の関わりは、保護者自身の「努力しているところ」でもあります。
その関りを、自分編の「努力しているところ」に加えてみてもよいですね。
安心して過ごせるように工夫したり、失敗しにくいように環境を整えたりすることで、「できる」場面が少しずつ増えていくこともありますよ。
■まとめ
「ギリギリセーフ」は、「困っているところ」として挙げた行動の中にある「ここまではできている」を見つける考え方です。
すべてをできたかどうかではなく、途中までできていたこと、たまたまできた場面、サポートがあればできたことに目を向けます。
次回は、ギリギリセーフが見つかりやすい場面を探す方法を紹介します。

